看護師は法律で定められた種類が4つあり、認定資格は3種類があります。それぞれの国家資格の取得方法や実務内容の違いなどを明確に解説しています。
また、看護師からのステップアップとして、各認定資格の取得方法や実務内容の違いも詳しく紹介します。
法律で定められた看護師の種類と資格について
看護師は国家資格を要する職業であり、国の法律によって定められた種類が4つあります。医療に携わる1つの重要な職業という位置づけになっており、医療の知識や技術を深く学び、試験に合格した者でなければ就くことができません。
看護師が法律によって定められている意味は、国の発達において医療が欠かせないからです。その重要な職業に基準を設けることで、専門者を育成しながら医療全体のレベルを引き上げていくことができます。
看護師
看護師は国家試験受験資格を取得する方法が「大学卒業」と「高校卒業」と「准看護士」の3つの道があります。一般的には大学卒業コースで受験資格を取得する方が多いです。
- 看護大学4年
- 看護短期大学3年
- 看護師養成所3年
- 高等学校一貫看護課程5年
- 准看護士の資格取得後、養成所や通信制で2年~3年
国家試験に向けては多岐に渡る道があるものの、厚生労働省が認めているいずれかの受験資格に該当しなければ国家試験を受けることができません。
看護師は資格取得後、病院や訪問介護など様々な職場で働くことができます。ボランティアやネット相談などを含めると、看護に関する知識や技術が必要なところでは必要不可欠な存在となっており、非常に活躍の場が広いです。
主に療養者の医療に対してサポートしていくことが仕事ですが、病院で働く場合など、職場によっては医療チームの一員として周囲との連携を取りながら仕事に専念していくことが特徴でもあります。
准看護士
准看護士とは、看護師の1つ下のランクに位置する資格です。
- 准看護士養成所2年
- 高等学校衛生看護科3年生または4年
看護師は厚生労働省によって資格が発行されますが、准看護士は都道府県知事によって資格が発行されます。
准看護士は看護師に比べて簡単に取得を取れるものの、仕事の範囲については差がありません。しかし、自己判断で看護業務を行うことができず、ここが看護師との大きな違いです。また、看護師の認定資格である「専門看護師」や「認定看護師」などを目指したい場合、まずは看護師の資格を取る必要があるため、准看護士になった後に知識や技術を向上させたい場合は看護師を目指すことになります。
准看護士から看護師を目指す場合も、看護師の国家試験を受験して合格しなければなりません。
助産師
助産師になるためには、法律によって2つの条件を満たす必要があります。
- 看護師の国家試験に合格
- 助産師の国家試験に合格
助産師の国家試験受験資格は助産師看護法により、「1年以上の助産師課程」が必要となっています。そのため、一般的には看護師の資格を取得した後、助産師の課程を修了できる教育機関へ進みます。
助産師は職業名から推測されるとおり、出産に携わる職場で働くことができます。病院や保険センターなど活躍の場は多いですが、助産師になると開業権を持てるので、独立する方もおられます。
看護師は特定の医療を専門とするわけではないことに比べて、助産師は「出産」という専門分野に従事することが大きな違いです。また、助産師は看護師資格が必須であることから、看護師と助産師の双方から働き場所を探せることも特徴です。
保健師
保健師になるためには、法律によって2つの条件を満たす必要があります。
- 看護師の国家資格に合格
- 保健師の国家資格に合格
看護師資格を取得してから保健師になる場合、「1年以上の保健師課程」によって保健師の国家試験受験資格を取得できます。
保健師は保健所や保健センターなど「保健」に携わる職場で働くことができます。一般的に身近なのは市区町村における保健所です。流行しているウイルスなどに対して相談を受ける職業でもあるため、正しい知識や情報を分かりやすく丁寧に説明する技量が求められます。
看護師や助産師との違いとしては、直接的に医療に携わるというよりは、職場によって情報整理や環境の構築などに貢献していく側面が強いため、同じ看護師の資格を持つ職業でも他とは違った形で医療に従事できることが特徴です。
日本看護協会の資格認定制度とは?
日本看護協会とは、1946年に設立された各都道府県と連動して活動する公益社団法人です。「国際看護協会」に参加して、情報の共有や意見交換などから看護の雇用や労働などにも大きな貢献があります。
日本看護協会の資格認定制度とは、1987年に厚生労働省の提言から発足した認定資格です。看護師は助産師や保健師など国家資格を要する形で種類がありますが、看護師を根底に置きながらも「専門分野」の知識や技術をさらに深く学べるのが資格認定制度です。その必要性は医療分野の広さに収束され、認定資格を持つ者に従事させるべき職場があります。
専門看護師
専門看護師は「がん看護」や「精神看護」など13分野があります。通算5年以上の実務経験があり、その内3年間は専門分野での実務経験があることを条件として、日本看護系大学協議会が定める基準から単位を取得すると認定審査を受けることができます。
通常の看護師や助産師などに比べて、専門看護師は13分野における高度な知識や技術から従事できることが大きな違いです。
例えば、がん分野では、がんを理解していることから「生活の質」にも視線を向けた医療を提供することができます。
認定看護師
認定看護師は「救急看護」や「皮膚排泄ケア」など21分野があります。こちらも通算5年以上の実務経験、その内3年間は認定看護分野の実務経験が条件であり、認定看護師教育機関を6ヶ月修了すると認定審査を受けることができます。
認定看護師は専門看護師と「分野の種類」が異なり、看護職に対する指導や相談の役割を担っているところも特徴です。
通常の看護師等の仕事に比べると、専門看護師は21分野において高度な知識や技術から従事できることが大きな違いです。
例えば、救急看護では、救急医療現場における救命技術やトリアージなどがあります。
認定看護管理者
認定看護管理者は「ファーストレベル」・「セカンドレベル」・「サードレベル」の3課程があります。看護師の実務経験が5年以上あることを条件として、各レベルにおける条件を満たすことで認定審査を受けることができます。
他に認定資格に比べると、認定看護管理者は「管理」に特化していることが特徴です。医療現場においては管理者や所長という立場で従事したり、医療に関する組織の管理や教育体制の分析や管理なども主な仕事です。
また、看護師が働きやすい環境を作っていく役割も担っています。